天使が舞い降りる
病院に行ったときには海君は亡くなっていた。
そのあと、私はお母さんから詳しいことを聞かされた。
「海君は公園に行ってくるって言って家を出たんだて。でも交差点で急いで渡ってたらしくて角から来た信号無視の車にぶつかって・・・・・。即死だそうよ。」
「うそだ。お母さん。うそでしょ。だって、昨日まであんなに笑顔で・・・。みんな私に嘘をついてるんだ。そうでしょ?」
お母さんの顔は涙でびしょびしょだった。
その顔が事実を物語っていた。
いきなり海君を失ったショックで何もできない状態が続いた。
「どうして?」
そればっかりが頭の中をぐるぐるしていた。
中学生になっても、海君を失ったショックが治らず、登校拒否を続けていた私。
そんな私を救ってくれたのが植草君だった。
だから、だから死を受け止められたし今こうして元気に生きてるのも植草君のおかげ。
海君を失った悲しみで学校をずっと休んでいた私。
そんなときに植草君が私の家にやってきた。
トントン。
ドアをノックする音で私は目が覚めた。
「はい。」
あけると、お母さんが立っていた。
「ちー、お友達が来てるわよ。」
「え??」
お母さんの後ろから現れたのは、なんと植草君だったのだ。
「お久しぶり。」