トップシークレット
結局どうしたいんだよ、黙っていられず、そうキタモトが問いただす。

｢俺たちだけで新チームを発足したい｣

その一言に、小さく歓喜する者、周りの調子を伺う者、何も表情に出さない者と色々だが、誰１人反対色を示す者はいなかった。

｢でも、俺たちがチーム作ったとこで何か変わるのか？確かに今あるサッカー部の在席人数は極端に減るけど、2.3年のチームは存在するわけだし、仮に3年の卒業を待っても2年や新1年が入部してくる。俺たちがサッカー部として活動することなんてできないんじゃないか？｣

そう言うのはGKの｢キタ｣であった。キタは身長が186センチの長身で、GKとしては恵まれた体格である。未だに身長が伸びているというから恐ろしい。

｢そんなの待っている猶予なんてない。それに2.3年の引退を待ってたところで、この集団がその後サッカー部として成立するなどとは考えていない｣

このデクノボウはGKとして大成するだろうか？そんなことを考えながら、ケンジはキタに向かって返答した。

｢じゃあどうしろって言うんだ？今ある既存のサッカー部を乗っ取るとでも言うのか？｣

キタは苦笑いをしながら言った。このデクノボウを何とかしなくては新チーム結成は難しいかもしれない、GKの育成をしたことがないケンジは、一瞬ウンザリしながらもキタに言った。

｢乗っ取る？そんなことしてられない。時間がない｣
｢じゃあどうするんだ？｣

コーラが飲みたい、ケンジは思った。コーラを飲んでその炭酸のように、目の前にいる者たちを弾き飛ばしてしまいたい。

｢破壊すんだよ｣

｢破壊？｣

｢ああ、破壊だ。壊滅状態にするんだ｣

｢どう破壊するんだ？ケンカか？金か？金なんかないだろう？…………｣

一斉な色々な者たちから質問が飛んだ。｢質問の嵐が終わったらコーラを飲もう｣ケンジはそう自分の胸に誓った。
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