あいつ色
「とりあえず。早く行くぞ。」
「分かってる!」




俺は華乃羽の事が好きだ。
昔から。
結構昔から…。
なのにこいつには彼氏がいる。
中学3年の時に告白してきたんだと。
俺の気も知らないで。
『あんまりよく知らない人だけど、彼氏欲しかったし、かっこよかったからOKした。』
そんな理由でOKして欲しくなかったな。
でも、幼馴染の特権として、家が隣あってる特権としていろんな話しを聞くし、相談にも乗るし、離れない。いろんな意味で。

「ぇ…!!ねぇってば!!!!」
華乃羽が俺を呼ぶ声で俺は眼を醒ます。
「なんだよ。」
「ま…前!!!前!!!前見てって!!!!」
「ま…まえ……っ!!!」

ずぼっ。
そんな情けないBGMと共に俺は溝に脚が嵌まった。

「ぷっ。ボーっとしてるかだだよ~ん♪」
「莫迦にしてるのかてめー」
「結構ね♪」
好きな相手ともいえど、


ムカツク。
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