淡愛キャンディー【another】



長い長い沈黙。

だけど抱きしめる強さだけは弱くしてやらない。

...そう思った瞬間。


「...アキト」


久しぶりに呼ばれた...
俺の名前。

それに驚き、弱めないと決めた腕にも力が入らなかったようだ。

弱めた腕から顔を覗かせるとあいつは、
戸惑う俺を見て余裕そうに微笑んだ。


いや、これは反則だろ!


こういうところがガキなのか?!

なんて、しどろもどろしていると。


「ねぇ、あの時のキャンディー食べたくない?」


「は?」


...まだ、持ってんのかよ?
てか、今そうゆう...





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