トリッティーの壁から手
チャールズ・ブレインはまだ14歳の少年だった。
ただ
『あなた、まだ子供なんだから』
と、以前彼の母親が発言した時には顔を真っ赤に染めて
『子供じゃない!!』
と、犬の叫びにも似た大声を出し怒って出ていったのだ。
母親から見ると可愛らしい小型犬の鳴き声。
だから気づかない。
なにに吠えて、噛みついているか。
言葉は覚えているのに肝心の心の内を、言葉にのせられない。
言わないから解らない。
言わなくても解ってほしい。
言わなくても解ってる。
言っても解ってくれない。
そして本当に解らなくなった時、なににすがればいいんだろう?
チャールズはそれすらわからなかった。