トリッティーの壁から手



そろりと、項垂れた頭をあげたチャールズの目に写ったのは




「今晩は、迷子の少年」




丸帽子、黒の制服。
警官だ、大柄の男だった。



あの時、チャールズが目の前にして逃げた警察だった。



しまった!?



そう思った時には遅く

「おっと、もう鬼ごっこは終わりだ」

ぐっと腕を捕まれて、チャールズは疲れた体を無理矢理引き起こされてしまった。


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