トリッティーの壁から手
はは……
なんて腹の立つ大人なんだ。
思わず眉間にシワがより今すぐに目の前の警官に怒鳴りたがったが、状況が悪すぎる……それに母親を呼ばれる最悪な事態だけは避けたい!!
これがチャールズの本音だったが、ただ先延ばしにするだけの逃げられない逃げ道だとも解っていた。
子供にはなにも出来ないし、拒否権すらないのだ。
「それじゃ、お家までいこうか!」
意気揚々と長身の男が合図を出した。
ここら辺に家があるなんて嘘、解ってるくせにわざとらしい……。
チャールズの苦々しい作り笑いがみるみるとれていった
あぁなんで僕もっと早く行かなかったんだろう
後悔だけが心に重くのし掛かり、これから起こる大人の説教を浴びると思うと屈辱しか感じなかった。
所詮子供の言い分は皆無に等しい、注意したことを破ったのだから当然、でもチャールズには大事な用があったのだ。
こんな時間に一人で出掛けたのは母親のせいなのに……。
チャールズの頭の中は、今や母親に責任転換する子供の考えしかなかった。