トリッティーの壁から手
行こうかと腕を引かれ歩くように促された。
足が重い。
のろのろと歩き出したチャールズに明るく長身男が名前を訊ねてきた。
チャールズは言いたくなかった。
言えば二人が名前で呼んでくる、それが妙に嫌だと思ったから
しかしチャールズの予想と反して、その名前を第三者が告げると誰が思っただろうか?
いや、警官もチャールズですら思わなかっただろう。
三人のすぐ後ろで
コツンー。
と、小気味良い石を叩く音がした。