トリッティーの壁から手
光輝きそうな程、真っ白な綿毛の髪が翼のように体を流れ包みこんでいる
透き通った肌は陶器に似た輝きを放ち
人間の女性を型どった目鼻立ち、切れ長の瞳を黄金に光らせ、首を傾げた動作から綿毛の髪がふわりと揺れて、くすぐったそうに毛先を動かす。
造形物に似た完璧な生き物。
そう、この世の想像
幻想
最後の時に訪れる使い。
「天使……」
「天使?」
チャールズの開けっ放しの口から、そう呟かれると
綿毛の髪をした女がまた首を傾げ、毛先が小刻みに震えた。