トリッティーの壁から手



光輝きそうな程、真っ白な綿毛の髪が翼のように体を流れ包みこんでいる




透き通った肌は陶器に似た輝きを放ち




人間の女性を型どった目鼻立ち、切れ長の瞳を黄金に光らせ、首を傾げた動作から綿毛の髪がふわりと揺れて、くすぐったそうに毛先を動かす。





造形物に似た完璧な生き物。



そう、この世の想像



幻想



最後の時に訪れる使い。















「天使……」




「天使?」




チャールズの開けっ放しの口から、そう呟かれると



綿毛の髪をした女がまた首を傾げ、毛先が小刻みに震えた。




< 41 / 92 >

この作品をシェア

pagetop