トリッティーの壁から手
「わたしはね……」
天使の口が言葉を繋ごうとした時だった。
コツー。
杖が床を小突く音。
そして
「やぁやあ、マレイネス、チャス、それにトリン・トットー」
突然、陽気な声が上の方から降ってきたのだ。
そこに目を向ければ
シルクハットに黒いスーツ、タイではなくスカーフに不思議なアクセサリーをつけたあの少年
「トリィ」
「「トリッティートリッティー!!」」
「あっ!?」
チャールズの苦々しい顔が驚いた声をあげ、端正な顔立ちの女とどこからか発せられる声が喜びを名前にのせた。
それにニッコリ微笑み帽子の鍔をクイッとあげたトリッティーが真上に現れる。
そう、真上。
「なにあれ!?」