トリッティーの壁から手


チャールズは叫んでいた。




だってそうだろう?



首が痛くなるほど傾けた頭上に、平然と紳士気取りの奴がココとは真逆に天井を踏んで立っているのだから。




というよりぶら下がっているのか?




チャールズの見開かれた瞳に写った彼は、にやりと笑ってこう言った。






「チャス、そこに降りるから気をつけてくれたまへ」














降りる?







どこに?




ここに?





「は?」





チャールズが間抜けな声を発した時には、少年の体は重力によって



そう、まさに真っ逆さま




真っ逆さまにぼろりと天井から足が離れて



リンゴが落ちる万有引力の法則にのっとって落ち始めたのだ。



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