トリッティーの壁から手





だがしかし、チャールズの意識は女の呆れた声で引き戻された。





いつまでもトランポリンをやめない少年に女が嫌気をさしたのだ。




「トリィ、いい加減にしなさいよー。ベッドが可哀想だわ」












スプリングがギシギシギシギシ、音を強くした。




「マレイネスは解っちゃいないなぁ〜」




少年は腕を組み、小馬鹿にした顔をニヤリと作る。



「これはベッドと僕のコミュニケーションなのさ。だから可哀想ではない、逆に楽しんでるんだ」







マレイネスと呼ばれた女は寝転びながら、あらそう、と綿毛を揺らした。





いつものことなのか言うだけ言って相手にはあまり興味がなさそうだ。




次に言葉を発したのは目を凝らさなければ見えない程、小さな小さななにかだった。



甲高い声は二重に声を発して、必死にトリッティーに訴えかけた。








「「トリッティートリッティー!やめてやめて、ボクら飛びたくないよ!!」」





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