トリッティーの壁から手
チャールズはギョッと目を見開いて、跳ね回るトリッティーをその大きなブラウンの目で見つめた。
「「トリッティートリッティー、やめてよやめてよ!!」」
なにかいる……
部屋を見渡した先には凸凹の床に暗い闇を映し出した窓に映える花。
人間はマレイネスという女に、狂った声で歓喜するトリッティー、そしてチャールズ……。
チャールズは確かにトリッティーの方向から発せられる声に目を向けているにも関わらず、その人物を瞳に映し出すことはできないでいた。