トリッティーの壁から手
気味の悪くなった通学路から飛び出し、大きな道路に出た時だった。
やばい!?
僕の体がビクリと驚き、目の合った人物に警報がなる。
警察だ……。
パトロールをしているのか、二人一組で大柄な男がこちらを指差して歩いてくる。
道路を挟んだ向こうで僕を家に帰そうと話でもしているのか、明らかなほど真っ直ぐ視線がそそがれた。
走る車のおかげで足止めはされているが、逃げなきゃおとなしく帰るか、わるけりゃ補導されて母さんに連絡されてしまう。
そんなこと、どちらもごめんだ!!
僕は聞こえる注意の声も無視して走り出していた。
遠回りだがこの道路を他の道を使って通るしかない。
路地に入り込み、階段を飛び降りて猫を踏みそうになるほど夢中で走った。
空にはインディゴに黒が足されていっていた。