Kill Love
ダラダラしながらも、全ての用事が済む頃には、きちんとスーツを着て準備万端なんだから、やっぱり彼には社長という地位は相応しいんだろう。

彼の荷物を持ち、車に乗り込んだ。

彼は後部座席に乗ると、ノートパソコンを立ち上げる。

「あ~…ウチの株、上がったな」

「上がるように日々頑張っていますからね」

「誰が?」

「もちろん、社員達がですよ」

「ひでっ!」

「36にもなって、そのリアクションはやめてください。部下に示しがつきません」

「きっついなー。ウチの秘書は」

「上がだらしないと、下が引き締まるんですよ」

すかさず言い返しながらも、安全運転で会社へ向かう。

高級ビルが立ち並ぶ中、一際目立つビルがある。

そこが彼と俺の働く会社。
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