永遠に愛を捧ぐ…。~最終章~
君の総てを…
「ただいまぁ。
ごめんね?
急な残業頼まれちゃって…。」
玄関でヒールを脱いだ花梨が、リビングに入って来た。
「お帰り、母さん。」
「ただいま。
お腹空いたよね?
すぐ作るから待ってて?」
「母さん、上着と鞄。
母さんの部屋に持って行くね?」
ベージュのスーツの上着と黒の鞄を手に持った。
「あ、お願いね?」
手を洗った花梨が、スーパーの袋から食材を取り出す。
花梨の寝室に行く。
ドアを閉めて、上着を抱きしめて、久しぶりの花梨の匂いを嗅ぐ。
全然変わらないんだね…君は。
あの頃と同じ。