月夜の影
*美月side*

私は事務所を出て行って繁華街を歩いている。
明るくて騒がしい。
メイクが濃い高校生はおまわりさんに話しかけられている。

そんな人たちを横目にスタスタと歩いて行った。

さっきは言いすぎたかもな…
でもあの状態でやったら絶対にしくじる。
精神的に辛くなって死を選ぶ。

そんなだったら最初からああ言うしかなかった。

ここは明るすぎる。

「あっれぇ~?みー!」

「?」

私はそう言ってきた女子のほうを見た。

「やっぱみーだ!」

「…誰」

目の前にはマスカラとつけ睫毛を何枚もつけたパンダのような目。
金髪のパッツン前髪。
こんなメイクした女子知らない。

「あたしだよ!絵美!」

「…え」

絵美という名前は聞いたことはある。
小学校の時同じクラスで今も同じ学校。
でもこんなことしているからかあまり学校に来ない。

「絵美…?」

「そうだよ!絵美!」

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