月夜の影
「千秋…健也…」

「署で詳しく聞きたいんだが」

2人は顔を見合わせた。

「…しっかたねーよな」

千秋はニッと笑った。

「菜月、しばらく…お別れだ」

健也は私に笑顔でそう言った。

「千秋…健也…いやっ…」

行かないで…
私をひとりにしないで…!!

私は健也の腕を掴んだ。

健也は私の手をゆっくり解き、握り締めた。

「大丈夫。死なないから。
足掻いて足掻いて…生きてみせる。な?」

健也は微笑んだ。


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