月夜の影
放課後、未だに『殺し屋』のことで盛り上がっていた。
何が面白いんだか、私には理解できないわ。

「美月は興味ないんだって!」

ないわよ。
あるっちゃあるけど別の意味でね。

私はスクバを持って教室を出た。
くだらない。
馬鹿馬鹿しいわ。

私は足早に学校を立ち去った。






街中は人がたくさんいてあまり好きじゃない。

トンッ

「すいません」

「お嬢ちゃんかわいいねー、俺らと遊ばない」

チャラ男が話しかけてきた。
こういう奴嫌い。

「興味ないので。結構です」

「そんなこと言わずにさぁ」

ウザ。

「警察、呼びますよ。いいんですか?
あなたの人生の数年が刑務所生活なんて悲しいですよね。
自分のやってることに後悔したってその時にはもう遅いんですからねぇ」

私はふっと笑って言った。

「っ…」

チャラ男は走ってどっかに行った。

心理戦。
こうやってマイナスのことを連続して言うと人間って凹むのよ。
ちょっと悪い使い方だけど。
こういう勧誘とかナンパにはいい。
だってウザいし。キモいし。
チャラ男嫌いだし。
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