月夜の影
でも、依頼のほうが大事だから…

私は真紀子のティーカップに睡眠薬を入れた。

その上からお茶を淹れた。

「ありがと~」

お茶を真紀子に渡した。

「悪いわね、お客様にお茶を淹れてもらっちゃって」

「いえ、家事は好きなので。それにいきなり押し掛けてしまったので」

「そう…雅彦さんの姪っ子さんなのよね?」

「はい」

雅彦には兄がいて、その兄は結婚している。
だからまったく怪しくない。

「普段の雅彦さんはどう?」

「とても優しいですよ。よくお小遣いもくれたりして…」

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