月夜の影
「邪魔なのよ。あの女がいるせいで
いつまでたっても雅彦さんと結婚できない!」

「だからって…殺すなんて…!」

「邪魔する奴は殺すだけよ」

私は荷物を持って、走ってドアのほうへ向かった。

ドアを開け、外へ出た。

「待ちなさいよ!」

階段で転びかけた。

足がほつれたけどそれどころじゃなかった。

転びかけた時にひねった足首がズキズキと痛む。
でも私は走り続けた。

少しでも遠くへ。

走って事務所へ向かった。

肩をグッと握り締めて…


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