月夜の影
*健也side*

「でも…」

ルナには言い訳は通用しない。
それは俺もアキラも知ってる。

でも…

「明日、また会おう。このままじゃストレス溜まるから」

ルナはそう言って事務所を出て行った。

バンッと大きな音を立ててドアが閉まった。

「はぁ…」

ボスは社長椅子に座ってため息をついた。

アキラは少し落ち込み気味だった。

「まぁまぁ、気にすんな」

「俺…無理だ」

「は?」

アキラは俺のほうを見て言った。
泣きそうでかすれた声。

「俺…友達殺すなんて無理だ!」

「落ち着け。誰だって無理だ」

ボスはタバコに火をつけて言った。
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