防衛要塞都市
迷彩柄の、そこにいる兵士達が全員身に纏っている制服。


セイルはそれを着こなし、堂々と立っていた。


無表情で、ただ一点、目の前の横たえた鉄の固まりを見据えて。


やがて、囁く声が消えた。


ただ一つ、小鳥の囀りが聞こえるばかりだ。


セイルは目の前の狙撃銃を蹴り上げた。


観衆はどよめくが、それに驚いている暇も無く次の動作へと彼は移る。


腰から拳銃を取り出し、次から次へと機械のように発砲していく。


高々と舞い上がった狙撃銃は、やがて重力と言う名の抵抗できない自然現象に阻まれ、進行方向を下方へと切り替えた。


弾切れになるまで打ち尽くされた拳銃を腰に仕舞い、彼は上空を見上げた。


立て膝で銃を捕まえたセイルは、間髪無く引き金を引く。


辺りに低い銃声が響くが、それを無視するように発砲、


ばがん


発砲、


どがん


発砲。


六回目の銃声が響いたところで、彼は深くため息を吐いた。
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