防衛要塞都市
数分間、また沈黙が訪れた。


「何故でしょうか?」


その沈黙を破るのは、セイル。


微動だにせず、ただ口だけを動かして、同じように不動のヴィンヤードに質問をかける。


「何故、彼らは接近戦向けの武器のみの武装で、こちらに攻めてくるのでしょうか?」


「さあね・・・何か作戦があるのか、ただの偵察か。」


彼女は、それに合わせて引き金を引いた。


「どちらにせよ、私たちの任務は敵の殲滅。余計なことは考えずに、弾丸を打ち込んどけばそれでいいのよ。」


ルイーズより、南東の敵数が1つ減ったことが無線で伝えられる。


「了解しました。」


「・・・でも―――」


セイルの返答の後、少し間を置いてから、彼女は言葉を付け加えた。


「こんなに簡単だと、どこかに裏がありそうね。」


また、引き金が引かれる。
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