防衛要塞都市
男が、ビルの影で、1本の煙草を吸っていた。


黒い、機動隊のような防具や武具を所持してはいるが、とても任務中とは思えない程ゆったりしている。


自分を除いた、残りの仲間の1人が亡くなる発砲音が聞こえ、だいぶ小さくなった煙草を地面に落とした。


路上にできた吸い殻の小山の上に落ちたことを確認して、


「・・・そろそろか。」


小さく呟き、背中から狙撃用のライフルを一丁取り出した。
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