防衛要塞都市
薄暗い指令室の中、いつもの席に、リーはいた。


机にうつ伏せて、眠っているような格好になっている。


「弾丸は、頭部を貫いていました・・・おそらく、即死でしょう。」


カシワギが部屋に入ってきて、リーの後方から語りかけた。


「今回の彼女の死は、重く受け止めなくてはなりません。ですが、私たちはそれを無駄にすることなく―――」


「最大限、例の計画に活用しなくてはならない・・・ですか?」


うつ伏せ状態だったリーから聞こえた声は、少し震えていた。
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