防衛要塞都市
その日の、真夜中のことだった。


満月の光の下、綺麗な夜空を見上げる女性は、その金髪を揺らした。


「いよいよ明日から……運命の決戦が始まる……。」


静かに、まるで赤ん坊に歌う子守歌のように、優しい声だった。


カシワギはそっと目を閉じ、息を吸い込んだ。


ギッと目を見開いた彼女は、突然笑い始めた。


「……ハハハ……ハハ……フフフ……。」


まるで狂ったかのように、彼女は静かに笑い続ける。


楽しそうに、愉快そうに、されど、狂気じみた目をして。
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