防衛要塞都市
「……なあ、カイル。どうして人は、殺し合うんだろうな……。」


男は、声のトーンを低くして言う。


そして、首もとからペンダントを取り出した。


白く光るそれは、土煙の中でも尚輝きを放つことをやめない。


『さあな……人ってのは、欲に溺れて生きるもんだ。戦いがなくなることなんて、無いんだよ。』


「そうか……。」


『俺達には、どうしようもないんだよ。』


カイルと呼ばれた男は、気を落とす。
< 63 / 69 >

この作品をシェア

pagetop