金魚恋
とにかく告白
「なぁ…未由…」
私の名前を呼ぶ大好きな声に
俯いていた顔をちょっとだけ上げてみる。
「ココ(俺の部屋)に来てから2時間近く経過したけど…お前ずっと固まったままで…どうしたんだ?」
そうなんだ…。
す-ちゃんに今日中に告白するよう言われて
勇気を出して海斗の家まで来たものの…
何も言えずに俯いて座り込む私がいる…。
情けないよね…。
『えっと…その…』
なんだか気まずくて…
海斗の顔が見れない。
だって結果なんてわかりきってるもん…
フラれるに決まってる。
なのに…なんで?
なんで告白しなくちゃいけないの?
だんだん視界が曇ってきた…
床にポツポツ落ちる雫が
水溜まりを作ってく…
この涙もいつか蒸発するのかな?
いっしょに私のこの想いも蒸発させてよ