ご主人様のメイド
むうーっと恥ずかしくて頬を膨らませて彼を睨む。

「あーははは…。ごめん、ごめんね?」

"いいですよ。あの、お名前は?"

よし!上手く話の流れを変えた気がする。


「西條 陸だよ。君は?あとさっきの答えはぐらかしちゃダメだよ?」

有無を言わせないような笑みにうっと息が詰まった。


"美鈴 みくです。……あの、じゃあ話ます。引かないでくださいね?"

「もちろん」



どうして…本当の事、答えようとしてるんだろ。
やっぱり止めよう。
彼もこんな事聞かされても困るよ…。
とペンを握りしめる手を止めた時ー彼の大きな手があたしの手を包み込んだ。

優しげに細められる目と、温かい彼の手に再びペンを握る手がゆっくり動いていくーー。



"死に場所を考えていました"


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