モウ スキジャナイ
日頃鍛えてる分、私はやはり速いようだ。どんどん追いぬかしていった。しかも私の陸上の種目は山田先輩と同じ長距離走。負けるわけにはいかない。

短期間走の誠が少し心配だった。

折り返し地点が見えた。
そこの先生が囁いた。
「速いねぇっ君は7位だよっ!頑張って!」

10位未満!よかった!グランド50周は免れたか…

そのとき誠の言葉が浮かんだ。

『一位になったら付き合って下さいって』

なんだか私は走らねばならぬという使命感があった。



山田先輩を追い越したい。

まだ山田先輩をチラリともみかけてはいなかった。

それは山田先輩が大分前にいることを意味している。

少しペースをあげた。
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