モウ スキジャナイ
「もう男子が戻ってくるそうよっ」

と先生方が走っていった。


先輩が急いでおしるこをおいて立ち上がった。
「先輩急ぎましょうか」と私も先輩とグランドに向かった。




「がんばれー!」
という声があちらこちらから聞こえる。
先生と先についた女子の声だ。

先輩は私の手を握った。私も先輩の手を握り返した。


先頭は望。

すぐ後ろに

誠。


「すごい…」

私と先輩はほぼ同時に言ったんだと思う。
そして先輩は叫んだ。


「がんばれー誠―――!!!!!」


誠がスピードをあげた。





私はこの歓声の中で自分の胸の痛みを押さえるのに必死だった。
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