モウ スキジャナイ
ぷーっと望が笑った。

「なっ何?」

「かわいいって何だよっ!アハハっ俺は先輩様だぞぉっ」

と望は笑っていた。

「ちょっと私は真剣に言ったのにっ」


望は私を笑いながら抱きしめた。

「あー…別れたくねぇ…」

「…」


「俺お前が好きだ…付き合っていってお前が俺を好きになるかもしれない…だから俺に猶予をちょーだい」


望の肩は震えていた。


思えば私は誠が好きだと気づいた瞬間、失恋したようなものだ。

だから

私は誠を忘れなくちゃいけない…

そして私は望が愛しい…

ということを考えた。


「うん…まだ付き合っていてもいいかな?」

「マジで?」

望が急いで私の顔を除きこんだ。

「うんっ」

私は笑顔で答えた。

望はほんとに飛び上がって喜んだ。

私は心の中で、『女の子はしたたかというのは本当だったんだ』と自分に驚愕していた。
< 24 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop