モウ スキジャナイ

ほんとに好きだと思った。

あの頃はほんとに望が好きだった。

けれど半年たって、望が言うようにたった一度許せないくらいで…

あの気持ちが吹き飛ばされるなんて、思わなかった。

人間とはほんとに信じられない生き物なんだと自分を通して思った。

ふと私は疑問に思った。


「どうして私が好きなの?」


望の頬に流れる涙を見ながら聞いた。

付き合ってる最中に別の男を好きになるような女だ。


きっと私は不思議そうな顔をしてるに違いない。


望も不思議そうな顔で「はじめて聞かれたな」と呟いた。
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