ﾓｳ ｽｷｼﾞｬﾅｲ
あの頃
私はふと出会った頃を思い出した。

初めて望とあったのは部活見学だった。

「陸上部の見学？ゆっくり見ていってね。」
望は微笑ん顔がほんとに優しそうだった。
その目が大袈裟な言い方をすると神様みたいだった。


私は陸上部に入った。
三年が五人、二年が四人、一年が三人だ。

「だんだん少なくなって来るなぁ…」
三人の部長が嘆いた。

「その分いっぱい騒ぎましょうね先輩！」

元気な女の人が言った。
笑顔が素敵な山田先輩。髪が少し染められていて長く、手足も細く長かった。
この人はもてるのだろうな、と入った当初から思った。

私は山田先輩に憧れて肩までだった髪を胸のあたりまで伸ばした。

山田先輩も私を可愛がってくれた。

山田先輩をよく見ていたから、山田先輩が永井先輩…望を好きなのはわかっていた。
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