ペットだなんて、言わないで

「ハル、帰ろう?」


「うそつき」


「ごめん……」


「うそつき!!」


 ――分かってる。

 でも俺は‘ごめん’って、それしか言えないんだ……。


「また、約束やぶった」


 ハルの血色のいい頬を、何度も何度も涙が伝う。

 まばたきする度にどんどん溢れてくる。


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