ペットだなんて、言わないで
「ただいま」
家に帰ると、待っていましたとばかりにハルが飛びついてきた。
なんか……安心した。
ハルと触れ合っているこの時間が、貴重な気がする。
いつもと変わらないこの部屋も、間取りも、家具も、においも……ハルが居るこの瞬間も……宝物みたいだ。
「いい子で待ってたよー!」
――ハルが楽しそうだと、俺も嬉しい。
空に浮かぶきれいな満月を見ながら、そんな事を思っていた。
メニュー