ペットだなんて、言わないで


「冷たい……」


 俺はひとまず作業を中断し、ハルの指をくわえた。

 とっさにやった事だけど……相手がハルだから許されたようなもんだよな。


「ゆび、おいしい?」


 口から指を離し、見てみるとまだ赤くなってたので、冷たいおしぼりを当てるように渡してあげた。


「美味しいわけないでしょ?」


 分かって言ったんだろう、なんか楽しそう。


「勝手に色々触っちゃダメだよ。怪我されたら困る」

「はーい」

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