ペットだなんて、言わないで

 
「ハッ。だせぇ」


 痛いくらいに鍵を握り締める。


「悲しませないって誓ったの、何度目だよ?」


 ハルを追う事も出来ず、さっきの場所に戻る。

 俺の頭の中はたこ焼きなんかでも、メグちゃんの部屋でも、健治さんの嫌味でもない。



 ――あるのは、一つだけ。



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