ペットだなんて、言わないで
「今、夕飯あげるからな」
抱っこしたままご飯を作るのはちょっとしんどかったが、罪滅ぼしの為だ。
いつもの様に猫缶をほぐしてあげるのだが、特別にかつお節も上に乗っけてあげる。
ハルはかつお節が大好物で、いくらでも食べてしまうのだ。
お水もちゃんと入れ替えてあげ、ハルを下ろすと、ガツガツと食べ始める。
「あん時みたいだな……」
初めて出会った時も、お腹が空いていたのかガツガツと食べていた。
渉は、もう二度といきなりいなくならないと心に誓った。