ペットだなんて、言わないで
「うーん。猫だったって事? なんで人間なの? つーかそれ本気?」
いっぺんに質問されて目の前の女は戸惑っている用だが……知らん。
「ハルね、ずっとずっと人間になりたかったの。人間になって渉の傍にいたかったの。だから毎日お月様に祈ってたの」
――それで今に至る。
そんなありきたりな内容、漫画くらいしか聞いたことなかった。
でも、信じるしかなかったんだ。
猫のハルは居ないし、猫のハルに付けた首輪と同じデザインのブレスレットを、女のハルがしてるんだから。
それに……猫のハルとの秘密を、女のハルが知ってたんだ。