ペットだなんて、言わないで

「行ってらっしゃーい」


「時間前には戻ってこいよー」


 メグちゃんと健治さんに手を振られ、医院を後にする。


 今にも一雨来そうな空を見上げ、小走りで家へと向かう。


 ガチャッと鍵を回すと、いつもの様に部屋の中からドタタタタ、と音がする。


 ハルが――人間のハルが走ってきたのだろう。


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