マンボウの住む家
なんの曲か判らないけど、きっと新曲なのだろう。
気になるから帰ったら調べよう。
そう決心しながら通りの角を曲がると、角の向こうの人とぶつかりそうになり、咄嗟に足を止めた。
スーツとサングラスをかけた屈強な男が二人。
一人は黒髪のドレッドヘアーで、もう一人は坊主。
肌が黒く掘りが深いことから、おそらく二人とも外国の方だと思う。
とりあえず頭を下げてその人の横を通り過ぎようとしたら、ドレッドヘアーの男に左腕を掴まれた。
強く握られる。痛い。
「ソラ、ダナ」
片言の日本語。けれどはっきりと俺の名を呼んだ。
なんでこの人、俺の名前を……?
呆気に取られていると、男の腕が唐突に外された。