マンボウの住む家

「いててて……。かっこ悪いとこ見られちまったな」


馬鹿。こんな時まで強がるな。


立つことさえままならない海斗。


奴の腕を肩に回して、マンボウと二人で夜道を歩く。


目的地は近くの診療所。まだこの時間ならやっているはずだ。


紺青の夜空には、小さな星がちらほらと輝きを放っている。


その下を海斗を庇いながら歩くのは、なんとなく滑稽に思えて自然と笑みが零れていた。


診療所に向かう道中、海斗の秘密を聞いた。


シーシャパードのこと、アトランティカのこと、ポセイドンのこと。全て包み隠さず話してくれた。


「数年前、とある遺跡から一冊の古代書が発掘されたんだ。その中に書いてあったのがアトランティカとポセイドンの秘密。ポセイドンの力を使えば、世界を引っ繰り返すことができる。それから父さんはシーシャパードを立ち上げたんだ」


俄かには信じられないが、海斗が言うのだから事実なのだろう。


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