マンボウの住む家
five days
事実
なぜマンボウという姿なのかはわからないが、当の前に気づいていた。
マンボウが母さんであることを。母さんの生まれ変わりであることを。
いや、生まれ変わりというより霊の類なのかもしれない。
「必死にテンション高めで若々しさアピールしてたんだけどなぁ。やっぱ親子なのね。あっさりバレるなんて」
テンションが高めなのは元からだろうが。
『命日に現れれば誰だってそう思うさ。それに擬人化した時の姿、昔見た母さんの若い時にそっくりだった』
「それが決め手というわけか……。ちょっと動きすぎたのかもね」
小さく溜息を零すと、ヒレを使って人間でいう頬の辺りを掻いた。
キーボードを介した会話。俺は続けて文字を打つ。
『なんであの世から戻ってきたんだ?』
ディスプレイを確認するなり、マンボウはすぐに答えた。
「宙が心配だからに決まってるじゃない」