マンボウの住む家

それに、ちゃんと分かってるから。


『心配しなくて大丈夫。俺の周りには俺達のことを助けてくれる人達がたくさんいるから』


最後の言葉をキーボードで伝える。


言葉にして伝えるのは気恥ずかしいけれど、こうしてなにかを介せばストレートに伝えられる。


やっぱり言葉を失った方が、得た物が多いかもしれない。


「そうね。貴方のために頑張ってくれる友達もいるものね」


マンボウの身体が徐々に透明度を増していく。


別れの時。見た目が魚類だから感動もなにも半減以下だけれど、いざいなくなると少し悲しい。


「じゃあね、宙」


じゃあな、母さん。
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