マンボウの住む家

物わかりのいい魚類で良かった。出来れば得体の知れない生物を捌きたくはないからな。


数分後、海斗は何事もなかったかのように目を覚ました。


急にクラッとしたと告げることから、俺がやったとは気づいてないらしい。


ひとしきりマンボウを触れたことに満足したのか、海斗はゲームがしたいと言いだし勝手に二階の俺の部屋へ移動し始めた。


マンボウが見たいというから連れてきたのに、すぐに興味が失せたようだ。


全く、困った男である。


「私の身体を弄ぶだけ弄んでおいて……宙のお友達はヒトデね!」


おい、どこから突っ込めばいい? ヒトデか? ヒトデからか?


まあ、あんだけ触り倒せば興味も失せるだろう。


元々海斗は図太い神経の持ち主だし、マンボウが喋ったり宙に浮いたりといった摩訶不思議現象に頭を悩ますほどデリケートではない。


ある意味うらやましい限りである。俺なんてネット掲示板で相談を持ちかけているというのに。
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