マンボウの住む家

もしや元気になってる?


とその瞬間、信じられないことが目の前で起こった。


マンボウが、浮いた。


プカプカと宙に漂うマンボウ。


嗚呼そうか。これは夢なのか。


どうりで庭にマンボウがいるはずだ。所謂『夢オチ』って奴ですね。わかります。


じゃあ時期にこの夢も覚めるだろうと高をくくっていたら、頬を思いっきり叩かれた。


マンボウに。あの長い背びれに。


「残念だけど、これは夢じゃないわよ」


マンボウが……喋った……?


ていうかこいつ俺の心読んだよね? 読唇術ならぬ読心術ってやつ?


「宙(そら)の考えていることなんてお見通しよ。マンボウだからって舐めないでね」
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