マンボウの住む家

帰りはおんぶしなくてはならないかも。


今日の朝食はお弁当の残り物。


普段の朝食よりちょっぴり豪華。お弁当がある日の朝食は、どこの家庭もグレードがアップする。


なんて思っていると、お気に入りのウサギの縫いぐるみを脇に抱えて芽衣が起きてきた。


目を擦りながらこちらに向かう妹は、親馬鹿(兄馬鹿?)色眼鏡を外しても可愛らしい。


ああそうだ。どうせ俺はシスコンですよ。それがなにか?


十歳近くも離れてるんだ。逆にシスコンじゃない方がオカシイだろ。常識的に考えて。


芽衣に顔を洗って着替えるように促すと、うとうとしながらもしっかりと頷いて洗面所へと移動した。


本当にお利口な子だ。兄ちゃんは嬉しいよ。


弁当作りを再開すると、今度はマンボウが二階の寝室から降りてきた。


目をトロンとさせて、ふよふよ空中浮揚する謎の生物。


種が違うから当然なのだが、こうも差が生じるとは……。
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