マンボウの住む家

今はすっかり慣れてしまったが、母さんが亡くなった時は本当に大変だった。


とはいえやはり家のことと学校を両立するのは大変だ。


こうしてマンボウが少しでも芽衣の遊び相手になってくれれば、その分家事が捗って俺の負担が減っていく。


そういう意味では、マンボウを拾ってきたのは正解かもしれない。


あのウザったい性格を直したら尚良いんだけど。


それは叶いそうにないので諦めがついた。


芽衣は着替えを済まして、先ほど作ったおにぎりを口一杯に頬ばった。


モグモグ咀嚼する芽衣にお茶を出してあげると、小さな手で湯呑を掴んでズズッと飲み込んだ。


その隣でマンボウもおにぎりを食べている。


それおかかのおにぎりなんだが……。


ある種の共食いである。


「にぃに、マンちゃんはお留守番なの?」
< 80 / 154 >

この作品をシェア

pagetop