マンボウの住む家
今はすっかり慣れてしまったが、母さんが亡くなった時は本当に大変だった。
とはいえやはり家のことと学校を両立するのは大変だ。
こうしてマンボウが少しでも芽衣の遊び相手になってくれれば、その分家事が捗って俺の負担が減っていく。
そういう意味では、マンボウを拾ってきたのは正解かもしれない。
あのウザったい性格を直したら尚良いんだけど。
それは叶いそうにないので諦めがついた。
芽衣は着替えを済まして、先ほど作ったおにぎりを口一杯に頬ばった。
モグモグ咀嚼する芽衣にお茶を出してあげると、小さな手で湯呑を掴んでズズッと飲み込んだ。
その隣でマンボウもおにぎりを食べている。
それおかかのおにぎりなんだが……。
ある種の共食いである。
「にぃに、マンちゃんはお留守番なの?」